パーソナライズのヒント

調査によると、顧客毎のニーズや期待を先読みしたWeb体験を、顧客達は更に求めるようになります。

しかし、どのようにパーソナライゼーションを進めていけばいいのでしょうか?

パーソナライゼーションの戦略は、あなたのサイトに訪れる顧客や彼らの期待によって、最終的に決まってきます。
ここでは、パーソナライゼーションを行っていくうえでの、いくつかのヒントを事例を元に紹介していきます。

シンメトリーメッセージの事例

Webマーケティングで、『シンメトリー』とは、キャンペーンを見た訪問者に期待させたこととサイトでの体験を一致させることを指します。検索/SNS/第三者サイトから流入した時には、訪問者に合わせてシームレスな体験をWebサイトで提供するべきなのです。CTAやメッセージや画像等は、訪問者が広告をクリックした時に期待したものに合わせる必要があります。

ランディングページ見出しのパーソナライズ

2013年の初め頃、Optimizely社はA/Bテスト機能を活用して、シンメトリーメッセージのテストを行いました。
Optimizelyは、リスティング広告からランディングページ(LP)への流入があり、いくつかの異なるキーワードで出稿していました。("Split testing tool","A/B testing tool","Multivariate testing tool")

Optimizely社は、LPの見出しを流入した広告に合わせることで、フォームの登録数が改善すると仮説立てていました。

広告について

「A/B Testing tool」の広告キーワードから流入した人には、「The #1 A/B Testing Tool」と見出しに表示されたLPを表示しました。また、「Split testing tool」の広告キーワードから流入した場合には、広告のコピーに一致した「The #1 Split testing tool」という見出しをLPに表示しました。他も同様にキーワードに合わせてページを最適化しました。

パーソナライズをしなかったグループには、広告キーワードに関わらず、「Test it Free」と見出しに表示されているページにランディングさせました。

結果

このシンプルなシンメトリーメッセージ施策によって、Optimizelyはフォームの登録率を12.21%から16.99%に向上することができました。更に、導線にもこの改善を転用した結果、営業へのリード数は、追加の広告出稿なしに、39.1%も増加しました。

パーソナライゼーションのヒント

Optimizelyの事例は、シンメトリーメッセージの価値を示しているが、これは基本的なA/Bテストで実現することができます。はたしてどのように、単純な勝ちパターンをより大きく複雑なパーソナライゼーション戦略に落とし込んでいくことができるのでしょうか?
ここでは、シンメトリーメッセージの考えを更に発展させた施策を提案します。

  • リスティング流入を拡大する

    上述の事例では、3つの広告キーワードと1つのLPでの話でした。
    あなたの会社ではおそらく、もっと多くの広告キーワードでの出稿をしているのではないでしょうか。
    多くの施策をつかむ形で、シンメトリーメッセージ施策をスケールしていきましょう。
    あなたが、より粒度を細かくターゲットに合わせた体験を提供すれば、質のよい体験をする顧客の割合も増えていくでしょう。更にシンメトリーを拡大して、メディアのキャンペーンでも最適化を進めましょう。

  • 複数のチャネルに拡大する

    ディスプレイ広告、SNS広告、メールマーケティングに合わせたLPの作成にも挑戦してみましょう。
    これらのチャネルは、リスティングよりも多くの微妙なメッセージや画像を要求するでしょう。
    そのため、より魅力的な体験を想像することができます。

  • サイト全体に拡大する

    サイトの訪問者のパーソナライズされた体験をより深めるには、LPの見出しだけではなく、サイト内にあるCTAやキーワードを一致させましょう。ホームページ、料金ページ、商品ページで記載している価値を、流入したキャンペーンに合わせていきましょう。シンメトリーメッセージを設計していくことで、あなたのサイトの顧客との対話をするポテンシャル

行動リターゲティングの事例

顧客体験リターゲティングとは、訪問者が過去にWeb上で行動したものに似たものを、表示することを指します。例えば、ある顧客があなたのサイトの特定の商品に興味があったとき、すぐに似た商品を表示することで、顧客体験を興味のあることに一致させることができます。
Optimizely Personalizationは、リアルタイムで顧客の興味を察知し、その興味によってターゲティングすることが可能です。

過去の購入者

『The Clymb(アクティブな生活商品を中心とした日替わりセールサイト)』では、特定のセグメントにあたる顧客の動機付けのために、行動リターゲティングを活用しました。
過去の顧客の購入データを分析した結果、ある行動パターンを発見しました。
『The Clymb』で一度でも購入したお客さんは、再度購入する可能性が高かったのです。 (これは、サイズや性別による特徴によっても変わることのないパターンでした。)

過去に購入したことのある顧客は再購入の高い可能性が判明したため、『The Clymb』では既存顧客の再購入のための、リターゲティング施策を実行するに至りました。

キャンペーン

過去に購入した顧客にターゲットを絞ったプロモーションをかけることによって、売上をあげられると彼らは考えていました。この仮説をテストするため、彼らは、顧客が欲しいと思う商品を薦めるメールのキャンペーンを既存顧客に行いました。また、合わせてSNSでのプロモーションも実施しました。

彼らは、同様に広告に合わせたLPの製作も行いました。

結果

『The Clymb』は、このキャンペーンで10%の売上増加を達成した。彼らは、過去のデータを元にした行動リターゲティングによって、顧客との対話を増やしていきました。
彼らは、このようなパーソナライズが共通した結果を生み出すことがわかりました。

パーソナライゼーションのヒント

『The Clymeb』の行ったキャンペーンは、売上を増やすため興味深いデータを活用しましたが、それは多くの戦略の中の一つでしかありません。以下では、いくつかの顧客体験リターゲティングのアイデアを紹介します。

  • 直近にブラウジングしているパターン

    イーコマースでは、特定の行動をした消費者(一度に複数の商品を閲覧した)は、統計的に購入に至る可能性が高いことがわかっています。
    あなたのサイトの訪問者を回遊させるために、訪問者の好みに合わせたコンテンツを提供しましょう。

  • 緊急性、値引き

    もし、あなたのビジネスで、決断を急がせるような値引きやプロモーションが容易にできるのであれば、緊急性のあるメッセージや特別なディスカウントを付けた併売をすることで、カート投入量とCVRを同時に上げることができます。

    緊急性のあるメッセージを伝えるときにいくつかのアイデア

    • 特定の商品を何度も閲覧している訪問者
    • 最初の訪問の時には何も買わなかったが、その後再訪した訪問者
    • 購入はしなかったが、商品をカートに投入をした訪問者

文脈上の共感を活用した事例

『文脈上の共感』とは、あなたのサイトのトーン、画像、導線を訪問者の文脈にあわせることを指します。
訪問者が、特定の都市か国からきているのかが分かります。それは、他にもデバイス、リファラルサイトや特定の期待の同様に分かります。

もし、あなたが訪問者がどこから来たのか知ることができたならば、彼らの期待していることが同様に分かるはずです。あなたのサイトを訪問者の文脈にあわせて、パーソナライズしていきましょう。

訪問者の期待

『AdRoll(リターゲティング広告プラットフォーム)』は、訪問者のビジネス的な文脈に合わせてサイトをパーソナライズしました。
中小企業の顧客は、すばやく始めることを望むが、一方大企業の顧客は、承認や実行までのサイクルが長いことが多い。
『AdRoll』は、中小企業と大企業の考え方に合わせた異なるCTAを表示した。

彼らは、このキャンペーンを実施するため、いくつかの異なるデータを収集した。
彼らは、IPアドレスを特定するサービス(Demandbase)やクエリパラメータを利用して、異なる顧客のペルソナの消費行動がどのように異なっているのか内部的な調査をしました。

彼らは、訪問者が中小企業か大企業のどちらの文脈で来訪するのかを推察するため、これらのデータを活用しました。そして、かれらはCTAをその文脈に合わせる形で表示させました。

キャンペーン

『AdRoll』のサイトに訪れた中小企業の訪問者には、「まず試してみる」ことを提案するCTAを表示しました。
一方、大企業の訪問者には「デモの依頼」を促すようなサイトに変更しました。

パーソナライゼーションのヒント

『AdRoll』は、訪問者の考え方、ニーズ、優先順位に寄り添えるようにCTAをパーソナライズしました。
ここでは、更に文脈的共感を生み出すような戦略をご紹介します。

  • モバイル
    • 普通はブラウジングに時間をかけないモバイルユーザーに合わせて体験を合理化しましょう。
    • 過去の行動に基づいた示唆を提供してあげましょう。
    • コンテンツのシェアをしがちな訪問者向けにSNSのシェアボタンを提供しましょう。
    • ナビゲートするのが難しいモバイルサイトでは、CTAボタンをより大きくして、タップしやすいようにしましょう。
    • 電話でのコンバージョンチャネルを促進させましょう。
  • ロケーション
    • コンテンツや画像を訪問者のロケーションに合わせて表示させましょう。ロケーションを元にした共感は特に意味があります。多くの組織は、LPを地域に合わせた形に変えるだけで、パフォーマンスが向上します。
    • ある特定の地理に関係するようなコンテンツを提供しましょう。例えば、外国又は田舎からの訪問者は、配送サービスについて興味があるはずです。
  • 新規/再訪
    • 新規での訪問者には、社会的信用の証明を見せましょう。初めてサイトに訪れるユーザーは、コンバージョンにいたる準備ができていないことが多いです。訪問者の信頼を得るための情報をサイトに表示させましょう。
    • サイトに慣れ親しんでいる再訪のユーザーの導線を合理化させましょう。これは、導線に複数のタッチポイントが必要な場合に、特に有効です。
  • 訪問者のコホート
    • 異なったニーズを持つ顧客に合わせるため、訪問者のコホート別にセグメント分けしましょう。
      例えば、1回目、2回目、3回目それぞれ新しい経験を提供します。そして、4回目又は25回目で異なる体験を提供しましょう。
  • 参照元サイト
    • 訪問者が流入した元のサイトからニーズを推察して、コンテンツを提供しましょう。例えば、もし訪問者が競合他社との比較サイトから流入しているのであれば、サイトではその違いを強調したり、そのサイトのレビューをそのまま利用するようなページを表示してあげましょう。

ご紹介したシンメトリーメッセージ、行動リターゲティング、文脈の共感は関連性の高い経験を持つ顧客に対して、とることのできる戦略です。