最適化プログラムとは、データの収集、収集したデータからの知見の抽出、アクションの実行に関するものです。テスト結果を広く共有しないと、社内に蓄積される知見が減り、このような知見に基づいて行動がとられることが少なくなります。逆に言えば、テスト結果を常に共有する企業では、より多くのテストをより効果的に実施し、各自の業務に関連する指標を動かすことができます。
これにもかかわらず、テスト結果の効果的な共有は、テストにおいて見過ごされることの最も多い事項の 1 つです。社内でこの重要なステップを見過ごすことがないようにするため、以下のガイドラインに従ってください。
共有する内容
結果を共有する場合には、次の内容を含めてください。
目的:テストの背景にある検討プロセスの簡単な説明。
詳細情報:バリエーションの数、各バリエーションの違い、テスト実行日、合計訪問者数、バリエーション別訪問者数など。
結果:増加率(オリジナルに対する最もパフォーマンスが高いバリエーション)、バリエーション別コンバージョン率、統計的有意性/差異区間などの数値。
得られた情報:これらの数値の意味の分析、データに基づく主要な知見
収益への影響:可能な場合には、前年比での推定される収益への影響の特定の上昇率の値を定量化してください。
上記の箇条書き項目は、テストの勝者だけに適用されるものではありません。テストで作成されるバリエーションのパフォーマンスがオリジナルを上回らないとしても、価値ある情報が得られる場合があります。つまり、実行してはならないことを理解できるということです。これは実行すべきことを理解することと同様に重要です。実際に、成功したテストからよりも、成功しなかったテストからの方が、訪問者の行動を微細に理解できる可能性があります。
「得られた情報」は、結果を共有する上で最も重要な部分です。これは、この内容から、企業が実際にとるアクションを理解し、フォローアップテストで新たに確認すべき点を絞り込むことができるためです。
共有方法
テスト結果の共有形式は、チームと組織の構造に応じて異なります。ただし最良のテストプログラムでは、次に示すオプションがすべて使用されます。
電子メール
- 「テスト結果」で始まり、その後にテスト名が続く件名を一貫して使用します。
- 配布リストを作成します。これにより、適切なチームメンバーを含め忘れることがありません。配布リストを使用することでチームメンバーはアーカイブルールを容易に設定できます。このアーカイブルールにより、一貫性のあるロケーションですべてのテスト結果メールを迅速に検索できるようになります。
- 電子メールが主なコミュニケーション手段である場合は、元のページのスクリーンショットとパフォーマンスが最も高いバリエーションのスクリーンショットをメールに直接組み込んでください。
プレゼンテーション資料(PowerPoint、Keynote、または PDF)
- 結果のプレゼンテーション資料は既存のテストプランから作成され、「共有する内容」に記載されるすべての詳細情報が含まれている必要があります。
- すべてのバリエーションを説明する概要スライドを組み込んでください。これにより、各バリエーションを相互に比較できます。
- どのような目標を含めて(購入数など)、それをどのように定義したか(.../thankYouConfirmation ページへの到達など)を説明する目標または指標のスライドを組み込んでください。
- 各バリエーションの大きな画像を表示するバリエーションのスクリーンショットのスライドを組み込んでください。
- 「勝者とオリジナル」スライドは、明確な対象比較を示す上で役立ちます。
- テストの上位 5 ~ 10 件の主要な知見をリストするスライドを組み込んでください。
- 「次のステップ」スライドでは、優勢なバリエーションを実装する場合に実行するアクションを明確に記述する必要があります(アクションが存在する場合)。たとえば、Optimizely で優勢なバリエーションが処理されるかどうか、または開発チームが変更内容をハードコーディングするかどうか、などです。
共有可能なスプレッドシート
- 共有可能なスプレッドシートは、テストに関するアイデアのロードマップやテスト結果を保管するのに適しています。通常これらのデータは個別のシートまたはタブに保管されます。
- Google Spreadsheets、Smartsheets、またはチームの Wiki ページ(Atlassian Confluence など)の表などのツールでスプレッドシートを共有できるようにしてください。
- スプレッドシートに、前述の基本的なテスト結果と、詳細な結果が記載されているプレゼンテーション資料へのリンクを記述してください。
チームミーティング
- チームミーティングは依然として重要であり、どれほど多くの電子メール、結果のプレゼンテーション資料、スプレッドシートを使用しても、実際に顔を合わせるミーティングの効果には及びません。
- チームによるテストの実行頻度に応じて、毎週、隔週、毎月の間隔で対面での結果レビューミーティングをスケジュールしてください。
- テストの実行に関係するチームメンバー(設計者、開発者)、日常的なテスト作業には一般に関わらないディレクターレベルの意思決定担当者、テストには参加しないが有用なアイデアを提案する可能性がある同僚を招待してください。