チェックアウトCVR20%増加

SONY

先進的な先進エレクトロニクスの会社、Sony は、オンライン買い物客のために適切なエクスペリエンスを提供することがビジネスで肝要であることを知っています。

マーケティングのさまざまな手法を駆使し、顧客 1 人 1 人に合わせてパーソナライズすることにより、オンラインストアでの購入数をアップさせています。

Sony のウェブ販売担当である Evelien Geerens は、Optimizely を使用することにより、Sony のウェブ販売プラットフォーム全体におけるコンバージョン率を向上させています。

最近行ったサイト監査で、Sony のホームページと製品ページにある、カスタマイズ可能なノートパソコンを宣伝するバナー広告のパフォーマンスが悪いことに Evelien は気付きました。

バナーからのクリックスルーと購入数が非常に低かったのです。 Evelien は、このコンバージョンの問題を改善するため、A/B テスト を実施することにします。

課題 #1:バナー広告のコンバージョン率が低い

バナー広告のコンバージョン率が低い問題のバナー広告には 2 つの異なる行動喚起(CTA)を図っていました。

1 つは、カスタマイズ可能な Sony Vaio ノートパソコンを宣伝すること

もう 1 つはメモリーを無料でアップグレードできるサイト規模の最新オファーを促進することです。

Evelien は、二重の CTA メッセージの表示が混乱を招いており、そのためにサイト訪問者は圧倒されて、バナーをクリックしなくなるという仮説を立てました。

しかし、彼女のチームが実施したユーザビリティーに関する調査では、違うことが指摘されました。

Sony の UX テストで、Evelien は一 部のサイト訪問者をうんざりさせているのは、実際にはカスタマイズ可能なノートパソコンのオプションであることを知りました。

それらの訪問者は、カスタマイズプロセスに時間がかかりすぎて メリットがないと感じていたのです。 相反する意見がぶつかる中で Evelien は、データに基づいた決定を下すために Optimizely に頼りました。

テスト

Optimizely を使用して、Evelien は、オリジナルのバナーと 2 つの異なるバリエーションを比較テス トする、A/B/C テストを作成しました。

Optimizely のターゲット設定機能により Evelien は、実験の対象をオランダと英国からのサイト訪問者のみに絞ることにしました。Sony のカスタマイズ可能ノ ートパソコンキャンペーンの 2 大マーケットであったからです。

1 つのバリエーションはカスタマイズ可能なノートパソコンに重点を置いたもの

もう 1 つはサイト規模のキャンペーンのみに重点を置いたものとしました。

Evelien の目標は、バナーをクリックスルーして最終的にチェックアウトファネルに入る訪問者数が、バナーごとにどう違うかを測定することでした。

その測定のため、2 つの目標を設定しまし た。

1 つは、バナー自体のクリック目標

そしてもう 1 つは、バナーをクリックスルーした後にサイ ト訪問者がショピングカートのランディングページに達した回数を測定するページビュー目標です。

オリジナル

SONY オリジナルバナー

オリジナルのバナーでは、パーソナライズキャンペーンとプロモーションに関するメッセージが両方表示されるようになっていました。

バリエーション①

SONY バナーバリエーション①

バリエーション 1 は、カスタマイズのアイデアだけを示しています。 バナーには「Vaio by you」という ロゴがあり、さらにノートパソコンを作成しカスタマイズするCTAがあります。 サイト規模 のキャンペーンについては言及していません。

バリエーション②

SONY バナー バリエーション②

バリエーション 2 は、キャンペーンに関するもので、キャンペーンに関して緊急感を促す特定のメッセージが表示されます。 このバリエーションでは、パーソナライズについては何も言及していません。

結果

カスタマイズに重点を置いたバリエーション 1 は、オリジナルのバナーに比べて、バナークリック スルーが 6% 増加、ショッピングカートまで到達した訪問者は 21.3% 増加しました。

サイト規模のプロモーションに重点を置いたバリエーション 2 は、クリックスルーで 1.8% の増加のみであり、ショッピングカートビューにおいてはオリジナルに比べてコンバージョンのパフォーマ ンスが実際に 2.9% 悪くなりました。

テスト後のセグメンテーション

データが増えていくにつれて Evelien は、Optimizely のセグメンテーション機能を使用してさらに掘 り下げました。

テスト結果を主要なユーザーセグメントごとに分け、ギャップや異常データがどこにあるかを調べるのです。

セグメンテーションにより、テスト結果の全体像をより正確に描き出すことができ、Evelien のようなテスト実施者にとっては、次にテストする分野をピンポイントで絞り込むのに役立ちます。

まず、Evelien は、地理的位置に基づいて、つまりオランダか英国かでセグメント化しました。それにより、テスト全体でパフォーマンスは同じ程度であることがわかりました。

結果は類似していま した。どちらの市場においても、カスタマイズのバナーエクスペリエンスのほうが、コンバージョ ン率アップの強力な選択肢であることを示しています。

次に、デバイスの種類に基づいて結果をセグメント化しました。つまり、モバイル vs. デスクトップ の比較です。

それらのセグメントにおいて、バナークリックスルー率に関する驚くべき結果が明らかになりました。カスタマイズに寄る傾向は、モバイル訪問者では逆転し、キャンペーンバナーのク リック数の方が多かったのです。

キャンペーンのみを表示したバリエーション 2 では、オリジナル に比べてモバイルクリックスルーコンバージョンが 21% 増えたのに対し、カスタマイズのみを表示 したバリエーション 1 では、クリックスルーの増加率は 16% にとどまりました。

このような知見に基づき、Evelien のチームは現在、すべてのデバイスの訪問者から収益を最大限引 き出すため、Sony のモバイル訪問者グループをターゲットにした、さまざまなキャンペーンの選択肢を試す一連のフォローアップテストを開発中です。

課題 #2: チェックアウトファネルの高い直帰率

モバイルとデスクトップの訪問者をチェックアウトファネルに誘導する最善の方法に関して明確な理解を得た Evelien は、さらにいくつかのフォローアップテストを実施し、それらの訪問者を引き留 めて、最終的に購入に至らせるのに何が有効かを調べました。

テスト対象としてまず取り組んだのは、カスタマイズしたノートパソコンのチェックアウトプロセスを経てきた顧客です。

分析機能を使ってファネルの各ステップから指標を収集することにより、 全訪問者の 39% が第 2 ステップの後、つまり各ノートパソコンのカスタマイズ可能コンポーネント を構成した後で、購入プロセスを中止していることがわかりました。

Evelien は、それらのユーザー が中止しないで留まるようにするための方法を探りました。

仮説

Evelien は、製品の説明をさらに短くすることにより、カスタマイズ可能コンポーネントのページで顧客が十分な情報を得て決定を下すことが、さらに容易かつ速くなるのではないかと考えました。

そうなれば、さらに多くの訪問者がチェックアウトファネルを続行するはずです。

テスト

Optimizely を使って Evelien は、A/B テストを準備しました。オリジナルのファネルページと、製品 の説明をさらに簡潔で分かりやすいものにしたバリエーションとを比較しました。

この変更に加えて、バリエーションページでは、「構成」という語を「コンポーネント」に変え、多くの人に選ば れている選択肢を示すトップセラーのタグを付け、ページでキャンペーン部分を強調表示しました。

各バリエーションの購入を追跡するため、Evelien は、顧客が購入手続きを終えた後に表示され る注文確認ページのページビュー目標を設定しました。

オリジナルのファネルページ(左側)では、製品説明の表示が長く、トップセラーやキャンペーンが強調されていません。 バリエーションファネルページでは、製品説明の表示が短くなっています。 さら に「構成」が「コンポーネント」に変わっており、トップセラーのタグが付いて、キャンペーンが強調表示されています。

結果

バリエーションページのパフォーマンスは、オリジナルに比べて高く、注文確認ページに達する訪問者が 20.6% も増加しました。 Sony にとって、これはかなりの収益増加を意味しています。

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